今回お話を聞かせていただいたのは、和歌山県であいのわ助産院の代表をされている助産師の東田美波さんです。
美波さんは、妊娠から出産のことはもちろんのこと、こころのこと、赤ちゃんのこと、ちょっとした食事の事も女性をまる~っと包み込んでくれるとても明るくそして暖かい女性でした。
美波さんの思いが広がったら、ひとりで悩まずに“誰かに頼れる”・“自分はここにいるだけで価値があると思える女性が増える”今よりも愛にあふれる世界になると思います。
開業されて1年ということでしたが沢山の気づきがとても深くて同じような事を考える方に届いて欲しいです。

Kleuren:助産師というお仕事への思いを教えて下さい
美波さん:“未来”!
それを作っていくのは子ども達なので、その子ども達が自分らしく、
楽しく笑顔で作って生きていってほしい。と、ただただ思っています。
そんな子ども達が作る未来は絶対明るいって思っているんです。
だからこそ、その子ども達に背中を見せてくれるお母さんたちもそういう状態であって欲しいなと思って今は助産師をしています。
“お母さんだからこれ我慢しないといけない”とか“子育て中だから10年後とかにできればいい”と自分らしく生きることを諦めてほしくなくて。
やるべきこともしないといけないことも山ほどある日常であることも重々承知で。
でも自分のことを1番大事にしているお母さんを子供たちに見せてほしくてそのお母さんたちが幸せになるように今は活動してますね。
そこは揺るがないって思っています。
“未来は子ども達が作る、その子ども達はお母さんが育てている!”
1番最初の社会って家族だと思っていて、その社会の中心になるお母さんが幸せであることがやっぱり旦那さんのご機嫌にもつながっていて、子ども達の幸せにもつながるのはまずはお母さんの幸せからかなと思っています。
Kleuren:助産師さんという立場から見た「母」とは何だと思いますか?
美波さん:世の中で全人類の内1番尊いことをしているって思っています。
一人の人間を1人前に育てる事あげることをしている人ってどんな職種にもないことですよね。
人間を小さな小さな種からここまで育てるそんなすごい人いないって思います。
私は世のお母さんもこれからお母さんになる人もみんな尊敬していますし本当に尊い存在だと思っています。
だから幸せになってほしい。すごい疲れていても、今日は未来の宝にお乳あげた!十分やっている私って思って欲しいです。
Kleuren:一歩踏み出す時に一番大きな力をくれるのは何ですか?
美波さん:私の事を信じてくれている人の存在です。
大切に思ってくれる人の存在で動けるなって思います。その人が私の事を大事に思ってくれているからこそ、「自分の命を大事に使おうって、ちゃんと生きないと」って!
やろうかどうしようか思った時に最後に背中を押してくれるのはそういう人たちだと思います
Kleuren:自分へのご褒美はありますか?あったらそれは何ですか?
美波さん:湯船でめっちゃ歌う!お風呂つかるのが好きです。
後は、お料理は好きじゃないけど気分がルンルンの時は自分にいっぱいごはんを作ってあげようって思います。

Kleuren:自分の中の好きな強みや性格は何ですか?
美波さん: 元気なところ、パッション溢れるところ、笑顔ですね。
パッションは仕事モードの時は常に溢れています。仕事9対プライベート1の生活ですね今は。だからずっと今はこのモード。常にパッションです(笑)
本当は、余白をもうちょっととらないとガス欠しちゃうかなとは思っていて。
好きでやっているけど疲れた経験も実際はあるから飛ばしすぎやめたいんです。
飛ばしすぎないように、バランス大事って自分の中の小さな自分が言ってて。
自分が満ちてなんぼの仕事なので自分が“休めていない”・“楽しい事で来ていない”なのに仕事ばかりにエネルギー注いでいてもそれだといい仕事ができないって思うんです。
幸せなこともプライベートで休んだことも仕事に活きる!だから、そこのバランスですね。
仕事ばかりを高めることだけじゃなくてちょうどいい自分でいることが仕事にも一番活きてくるって思っています。
たまに仕事へのアクセル離して「ブレーキ、ブレーキ!」って思いながら。
ただそんな自分も好きなんですよね。そこに全力投球出来る自分も好き。好きな仕事なので!
これは誰かの言葉ですが目指すところはここかなって思っているものがあります。
家族3:仕事3:遊び:3 そして、1余白 この1余白は柔軟性・何もしないですかね。
Kleuren:子どものころの夢はなにでしたか?
美波さん: 2歳から高3までずっと水泳をやっていたので、小学4年生ののハーフ成人式の時に「水泳選手でオリンピックでる」って宣言していました。
がっつり競泳をしていて。ずっと水泳しか考えていなかったですね。今思えばもっと遊びたかったかな。
助産師を目指そうとって思ったのは高2ですね。進路を決めないといけない時で、その頃に心の中で悶々することが“虐待”だったんです。
目を背けたいニュースは虐待で、なのに興味は絶対あって気になるのに見ることができなくて。
子どもに対してもお母さんに対してもいろいろ言われるのを見るのも嫌で。ずっとモヤっとしていました。
「虐待をよくする仕事をしたい」ってお母さんや先生に伝えたら、保健士さんについて教えてもらったのが高2です。
自分が病院で働くイメージが全然なかったけど、地域で働く看護師さんに興味が出てきてました。
それから、子ども達に関わる仕事が良いけど子どもとお母さんのことで自分が知らない事は1つもない状態で仕事をしたいって思ったんです。
その時に助産師って部門に行くと授乳のことも把握できる、お産のことも分かるって知って助産学校にすすみました。
どれだけ学んでも知らない事は死ぬまであるんですけどね(笑)

Kleuren:自分で仕事をしていて困ったことや悩んだことはありますか?1つ教えて下さい。
美波さん:開業して3月で1年になります。この1年の間は孤独感がすごくありました。
自分で何かする、自分でしたいから始めたけど、自分で判断する、一人でなんでもしないといけないっていう自分の固定観念が出てしまって。
いろんな人に頼り、相談し、自分がやりたいことであってもいろいろな方の頭をかりて、アイディアもらって、もっと頼ればよかったのに、自分が他の人に頼り切れない。
それはきっと最後は自分で判断しないといけないという思い込みから周りに自分から頼れない1年でした。
今は解消されてきている感じですね。
Kleuren:何をしたから(何があったから)乗り越えられましたか?
美波さん: 支えてくれてくれる人が一人いてくれたんです。「頼ってもいいよ、何かあったら相談してね」ってずっと言ってくれていたんです。
何かあった時に相談しようって思える方でした。そして、その人の存在に気づいた瞬間、「あ!周りにいる人はみんな自分のサポーターだった!」って気づいたんです。
みんな支えてくれて応援してくれる人だったのに、自分は別ものだって思ってしまっていて。
ずっとそこにいるのに頼れない自分に気づいたら、今はお世話になった方以外にも「頭を借りよう、教えてもらおう」って自分がそういう気持ちになれたので、孤独感はなくなりました。
だからこそ、今はやる気がめっちゃあります(笑)
Kleuren:誰かに頼っても良いって思えるタイミングやきっかけがあったんですか?
美波さん:悪いことも良い事もやりたいことや、エネルギッシュな事も全部受け止めてくれる人が一人いたらその人が自信みなぎってくると思うんです。
「あ~大丈夫」って私このままで行ってもいいのかなって。
全員にOKだしてもらえなくても、本当に信頼のおける人、この人の言う事だったら信じて大丈夫って人にOKって言われたら私も自分にOKを出せるようになっていきました。
その信頼できる方に出会って実は2年も経っているんですよ。
2年間ずっと何度も言ってもらっているのに、“自分なんか”とか“結局自分でしないといけないし”、“それに頼っても彼女も忙しいし”、そんな気持ちはずっとあって。
でも大変になって駆け込める人が一人いてくれて。「もっと早くに来てくれていいのに」、「この状態になる前に一緒に話できたのに」って言ってもらえて。
年越しくらいに2年かけてやっとその人のこと信じる事が出来たんです。
その後も、気分が落ちると“相談できない”、“こんな自分は見せられない”みたいなふつふつした気持ちがでてきちゃうんですよね。
そうなるとまた一人で考えるモードになって抜け出せないループにはまりこむ。
でも「見せてもいい」って思ったらまた頼って自信みなぎってきてを繰り返した結果やっと地に足ついてきたんです。
人に頼ってもいい、弱み見せてもいいって、弱い自分を見せても相手は気分が悪いとは思わないってやっと気づいたんですよね。

思いがエネルギーとなって外に広がるような力強さと優しさが溢れるお時間でした。
続きは2週間後、3月21日になります。
お楽しみに。